毎年この季節になると行ってみたかった根津美術館に、やっと出かけることが叶った。
いつもの元職場の大先輩たちに、銀座の交詢社倶楽部で昼食をご馳走になり、私はこの後根津美術館へ燕子花を見にゆくと話したところ、みなさんもご一緒することになった。
時節柄たくさんの見物客で賑わっていた。根津美術館は尾形光琳筆の6曲1双の「燕子花図屏風」(国宝)を所蔵していて毎年この季節になると公開する。今年は特別展として、特に同じく尾形光琳筆のメトロポリタン美術館所蔵6曲1双の「八橋図屏風」を並べて展示していて、見応えがあるのだ。
尾形光琳はこの他にも1幅の「伊勢物語八橋図]とか「燕子花図」といった燕子花を書いた絵が多く、これらも展示されていた。
余談だが、燕子花は在原業平の「伊勢物語」の八橋に出てきて、その物語りを題に絵にしたものであろう。能の演題にも名高い。
同時開催のテーマ展示では、「仏教彫刻」、「古代中国の青銅器」、「きらめく螺鈿」、「初夏の茶道具」が数多く充実していて驚いた。古代中国の殷の時代紀元前13世紀から11世紀の青銅器はその存在感が凄い。
茶器では小堀遠州の茶杓(江戸時代17世紀)、本阿弥光悦作と伝わる孟宗竹を切った花器(桃山〜江戸時代16〜17世紀)、鼠志野茶碗(桃山時代16世紀)などなどに魅せられる。
これらは全て根津美術館所蔵。
根津美術館アプローチ
根津美術館は、昭和16年開館。
約7000件の主に日本・東洋の古美術品を所蔵する。
東京南青山の一等地に2万uを超す広大な敷地には、茶室が4軒点在する日本庭園がある。
東京のど真ん中にこれ程の緑があるとは驚きだ。見事だ。
東京に居ながらにして充分森林浴が出来る、贅沢。
ここの池に、この季節、燕子花(かきつばた)が咲き誇っているのである。
池の真鯉。鯉も絵によく描かれますな。
池に映る燕子花。
また是非ゆっくり来てみたい美術館の一つになった。
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