日曜日の10日、大雨の予報が出ていたが、予定通り千駄ヶ谷の国立能楽堂に出かけた。
金春会定期能。
「小督(こごう)」
小督の局は、高倉院に愛されていた。が、平清盛の娘が中宮のため、清盛を恐れ宮中から姿を隠す。
院は、臣下仲国に命じて小督の行方を捜させる。唯一の手がかりは、嵯峨野の片折り戸のある家。
想夫恋を弾く琴の音の主と判じた仲国は小督と合い、院からの手紙を渡し返事をもらって名残を惜しむと言った筋。
静かな力強い男舞が見所だ。
『平家物語』が出典。
「瓜泥棒」 (狂言)
瓜畑での瓜泥棒と農民、案山子の愉快な話。
「芭蕉」
中国楚国小水の庵で僧が読経としてると、毎夜庵を訪ねる女がいる。
問うと、芭蕉の精であると明かす。
里の男が詳しく芭蕉の精の経緯を話す。
また現われた芭蕉の精は、草木を含めた万物はそのままの姿で成仏の相を示すという法華経の教えを述べて舞う。
破れやすい芭蕉の葉は、はかなさや無常観がただよう。
笛の音色が、特に美しく響き渡って幻妖さを香もしていた。
金春禅竹作。
夕方から風雨が激しくなるとの予報故、最後の一題「是界(ぜがい)」は諦めて外に出たが、穏やかだった。
4時半。
ともかく早く帰宅しようとしたが、錦糸町で快速に乗り換えたJR総武快速線は横須賀線の人身事故で電車が遅れていた。やっと乗った電車も、船橋駅でストップ。その先の地点でまたもや人身事故とかで運転再開まで1時間はかかると。そこで、久し振り、2、30年振りかで懐かしくも京成船橋駅に乗り換えて、家にたどり着いた。
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