以前にも来たことがある東京国立博物館の庭園。
今回は平成館での特別展示「茶の湯」を観るので、特に茶室を観て回った。
ここの敷地は元は寛永寺の境内だった。幾度もの改修のため当時の面影を残している部分は池辺りの一部。5棟の茶室も移築されたもの。
春と秋にのみ一般公開されている。
入口すぐに、大木の「兼六園菊桜」がまだ咲いていた。
「春草盧(しゅんそうろ)」
江戸時代17世紀後半、淀川改修工事の際に建てられた休憩所。横浜の三渓園に移築され、昭和12年に所沢の松永安左エ門(耳庵(じあん)・1875年〜1937年)の別荘に移築され、昭和23年にここに寄贈された。
「転合庵(てんごうあん)」
小堀遠州(1579〜1647)が桂宮から茶入「於大名(おだいみょう)」を賜った折、その披露のために京都六地蔵に建てた茶室。後に大原の寂光院に移築され、昭和38年にこの博物館に茶入と共に寄贈された。
遠州好み。
入口
池に向かって開ける側。
「六窓庵(ろくそうあん)」
17世紀半奈良の興福寺慈眼院(じげんいん)に建てられた。明治8年にこの博物館が購入、移築。第二次大戦中には解体されたが、昭和22年再建された。
「応挙館(おうきょかん)」
1742年
尾張国の天台宗寺院明眼院の書院として建てられた。後に東京品川の益田孝(鈍翁(どんのう)・1848〜1938)邸内に移築、昭和8年・1933年にこの博物館に寄贈・移築された。
室内の墨画が天明4年に丸山応挙が明眼院に眼病で逗留していた際に揮毫したものと伝えられる。
「九条館(くじょうかん)」
東京赤坂の九条邸で当主の居室として使われていたもの。昭和9年に寄贈された。
咲き誇る大根花?
本館ベランダから池と「転合庵」を望む新緑の候。
都心にこうして緑豊かな大木が残され、趣深い茶室が残されているということは、何ともこころなごむ。
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