悦子の談話室

消費者庁創設

     
 

2009年9月1日、消費者庁が創設された。
感無量である。

わたしは、30年以上も前にアメリカの消費者問題を視察した。
ラルフ・ネーダーさんや、消費者問題担当大統領補佐官バージニア・ナウアさん、ニューヨーク市などの消費者教育課、及び大手各社の消費者問題担当副社長などに会見した。
消費者問題に、消費者運動家はじめ行政、企業が手を携えて真剣に取り組んでいる姿を目撃した。

日本では生産大国を謳って経済の高度成長を達成し、そろそろその陰りが現れはじめたが、まだまだ生活大国などという言葉は聞かなかった時。

そこで帰って来て、先ずは企業に消費者とのパイプ役を置き、車の両輪の如く生産者と消費者のバランスを巧みにとった経済活動を進めるべく、日本ヒーブ協議会を設立した。
当時の関心はたいへんなもので、"ヒーブ"が入社試験には必ず出るは、新聞の社説では取り上げられるはなど、こころある企業経営者で知らない人はいなかった。

以降、日本でも消費者問題担当副社長、消費者問題担当大臣などの設置を各方面に切に訴えかけてきたものだった。
実現しつつあるが、残念ながら兼任がまだ多い。
そんなつけか、食品偽装などの企業不祥事が相次いだ。

当初は消費者庁までは願わなかった。
ところが、消費者の命にも関わる相次いだ企業不祥事で、消費者庁創設の動きとなった。

折角出来た消費者庁に真の魂を入れるのはこれからだ。
鳩山さんは、生まれたばかりの消費者庁の人事に文句をつけていないで、それはご自分が首相になってからでもいい。
それよりは、思う存分の実のある生活者のための行政施行を、と期待しているのは私ばかりではあるまい。

(09.09.02)

 
     

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