私もメンバーのJKSKサロンで、「気がつくか、気がつかぬかの勝負」というテーマでのスピーチがあった。
スピーカーは同メンバーの木内孝氏。NPOフューチャー500を設立、理事長。'35年ドイツ生まれ。福沢諭吉の曾孫。
彼のスピーチはエネルギッシュでたいへん刺激的だった。
その主な論点を以下に記すと、
・
日本の外で何が話題になっているか、日本人はおよそ疎い。
この2月にイギリスを訪問した安倍首相にイギリスのブレア首相が、ポスト京都議定書について質問したが、安倍さんは恥ずかしながらさっぱり分からず、応えられなかったと、英紙には取り上げられたが、日本では全く報じられなかった。で、木内氏はある外国政府に呼ばれて、話しをした。
・ ベルリンにあるフンボルト大学で、昨年、112人によるドロッビング・ナレッヂ円卓会議開催。
フンハホルト大学に大きな空洞がある。ナチが焚書して無くした書物の収められていたところで、その焚書行為を忘れまじと現在も空洞にして、周りにそれらの書物を丈高く積んであるという。その巨大空洞を囲んだ大円卓で、ドロッピング・ナレッヂ大円卓会議が開かれた。
勿論木内氏も112人の内のお一人。
世界各国、老若男女、から寄せられた「気付き」「どうしてなんだろう」という何万という質問を100までに搾って、それに112人が、3分で応えるという会議。
5時間かかって終了した。
この112人には官僚はたったの5人。あとは著述家、俳優、ジャーナリストなどといった人々。
100の質問の中には日本人からの質問は無かった。
つまり、日本人は国際的な「気付き」が疎いのである。
質問の主なものは、
・世界中の人類が必要としている食料を生産しながら、みの食料を必要としている人達に行き渡らないのは、何故か。
・冷えたコカ・コーラの方が新鮮な飲料水より手に入り易いのは何故か。
・女性は何故未だ不利な立場に置かれているのか。
・資本主義の次に何がくるのか。
・我々が人類の生命を他の生命より価値があると考える根拠は何か。
・何があなたを動かすか。
・今日報道されていない最も重要な事項は何か。
などなど。
あなたは直ぐに応えられますか。
つまり、こうしたことを日頃考えていますか。
木内氏は3年後くらいには、是非日本で開催にこぎつけたいと考えている。
このドイツでの会議は、たったの3人の市民が発案企画したものだったという。
それを大学が、企業が、そして多分財団が援助したのであろう。
日本では先ずこのスポンサー探しが大変である。
そして、これだけ問題の多い日本で、考える専門家であるはずの学生達の動きが全く無い。学生運動の動き、そして市民運動の動きが全く見えないというこの状況を何とかせねばと、木内氏と強く握手した。
(07.06.22)
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