今年の1月に、友人二人が、相次いでそれぞれ最愛の連れ合いを亡くした。 彼女らの渾身の看病を見聞きしていたので、とっさに慰めの言葉も出なかった。 が、充分に尽くしても愛しい人が死んでしまう、その時の無情な悲しいこころが疼いてきて、不覚にも泣いた。 愛しい人の死は、例え長寿であったとしても、それで充分だったとはとてもいえない。 どんな姿であってもいい、生きていて欲しいと願うものだ。 夢に出てきてくれると、ほっと安らぐ。 私は幽霊でもいいと願ったほどだった。
一人の友人は、「主人が毎晩夢に出てきてくれるの」と話していた。
そろそろ悲しみも落ち着いてきたであろうか。 くれぐれも、荷下ろし鬱には陥らないよう願っている。
(10.03.15)
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