悦子の談話室

平岩外四氏逝く

     
 

平岩外四氏の訃報に今朝の新聞で接し、悲嘆にくれている。
92歳でいらした。
こころからご冥福をお祈りする。
日本は、世界に誇れる文化的経済人を亡くしてしまった。

最後にお目にかかったのは、昨11月の電気新聞100周年記念懇親会のときであった。
既に車椅子をお使いで、でも私の顔を覚えて下さっていて、「いつも楽しみに読んでいますよ」と元気におっしゃって下さった。電気新聞の書評欄に私が書いていることについてである。

平岩氏に初めてお会いしたのは、30年以上前。
銀座の吉兆であった。
故高原須美子さんご夫妻と一緒だった。
その折、南洋の戦線で罹ったマラリアが、今だに発症して40度もの熱が突然出ると、あの福耳の穏かな笑顔で話されていたのを思い出した。

激戦極まるニューギニア戦線の部隊117名中7名の生還者のお一人だったのだ。
平岩氏の平和を大事にする原点がそこにあったのだ。
経済至上主義を超えた確かな文化的見識がまた一つ無くなってしまった。

合掌

(07.05.23)

 
     

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