悦子の談話室

計画停電

     
 

福島原子力発電所の未曾有の被害、火力発電所の被害、そして送電施設の被害もあろう、電力が足りなくなった。
今後数年間電力不足、エネルギー不足は考えられる。
不測の大停電をおこさないためにも、徹底した節電が必要だ。

東京電力エリアでは計画停電が実施されている。
グループ分けが解りづらいとか、予告実施時間どおりにならないのは何故かとか、市民特にマスコミからの批判の声が大きい。が…。

電力は生ものだ。溜めておくことができない。
大停電を起こさないように、その地域地域で刻々と変る電力の使用状況に合わせて、コントロールセンターで電力の供給ルートを変えたり各発電所の発電力を調整したりしている。平時からそうだ。
気温の変化がその動きを顕著にするし、特別の大きなイベントやテレビ中継などもひびいてくる。

それに供給が追いつかなくなると、一部のパンク停電状態が変圧器などを通して他の地域の停電をも引き起こし大停電となってしまう。

もともと日本はエネルギー資源は無いに等しいから、節電、省エネルギーは当然求められていた。
ここにきて、この程度の電力受給状態で凌げているのは流石に日本だ。
電気がこようが停電しようが、徹底的な節電体制で臨みましょう。

近くに住む従姉妹は84歳で孫夫婦と同居。若い共働きの二人を食事その他で全面面倒みている気丈なひとだ。
電話をしたら、それでもかなり怯えていた。
「停電になると一人だと怖い。関東大震災の時、親は倒れた玄関の下敷きになり引っ張り出されて九死に一生を得たから、地震が起きたら直ぐ外に逃げるよう教え込まれているの。暗いと怖いよ」と。
普段は遠慮がちな従姉妹だが、「じゃ、今度停電の時に一人になるようだったら私が行って一緒にいるわ」と言ったら、心底安堵した声で、「そうして。そうしてくれると安心だわ」といった。

そしたら直ぐに自転車で、千倉に嫁いでいる娘(孫の親)から届いたという秋刀魚の丸干しをたくさん携えてやってきた。
玄関先に座り込んで動こうとしない。
かなりストレスが溜まっているようだ。血圧の高い人だから、心配。
暫く背中を擦ってやった。

兎に角、この難事をお互い思いやりながら、出来るだけ冷静に乗り超えていくしかない。
こうしている今もまた余震で揺れた。

(11.03.20)

 
     

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