悦子の談話室

老体の内科手術

     
 

70歳になろうという義兄が、胆のうの摘出手術をした。
大分悪かったとみえて6時間の手術だった。

私は家で留守番をしていただけなのに、自宅に帰ってきたらくたくたに疲れ果てていた。
付き添って病院の手術待合室で待機していた家族たちはたいへんだったろう。

本人や医師のたいへんさは押して知るべし。
本人は全身麻酔だから知る由もないか。
手術終了直後に出てきた医師は、額に汗は出てるは手は手袋のせいかふやけていたそうだ。

それ程の大手術なのに、翌日はもう歩け歩けと腸の活動を促す、平たく言えばガスを通すために看護婦さんがはっぱをかける。

男の人は痛みにはからきし弱いらしくて、傷口が痛いの、もう歩けないの、自分でやる!のと、心配顔の細君(我が姉)に八つ当たりしきり。

よかった、よかった、それだけ元気になれたのだから。

ただ、快復しても、以前より元気になれないことだけは請け合いである。
歳をとるとはそういうことで、入院以前と同じ状態には戻れない。
入院の期間、健康体でも確実に老いているので、それが身体に大いなる切り傷という負担を背負ったのだから、完治しても老状態は進行しているのですぞ。
その点をくれぐれも誤解のなきように。

(07.01.19)

 
     

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