私の事ではない。親戚の60代後半の女性の事。
気が付いたら東京駅のトイレで救命されたと。友人の見舞いに友達数人と出かけた。帰途、一人で電車に乗った。何故東京駅のトイレにいたのか、わからないという。乗り換える必要の全くない駅だ。
隣のトイレにいた人が長く彼女が出てこないことに気付き、駅員に知らせてくれたらしい。が、女子トイレ故、男性駅員が入ってこられずに、その内に勤務交代などあったらしくて、トイレから救出されたのは、6時間後だそう!?
その間彼女の意識はなかった。そして、救急病院に運ばれた。その間、息子の顔らしきものをちらと見たような気がすると。事実、手持ちのバッグから連絡先を探し出し、息子に繋がり付き添えた。
彼女は喘息持ち。毎日の手当はしているし薬も持ち歩いている。救急時、熱が42度あったそうで、インフルエンザと診断されたらしい。
そして、快復し、一週間振りに救急病院から退院してきた。安静にしていればもう大丈夫だということで一般病棟に移されることなく。
こんなことってあっていいものだろうか。
トイレに6時間も意識不明の人が置きざれにされる。しかも、東京駅のトイレでだ。女子用のトイレに入れないという言い訳は通用しない。
彼女は健気にも気丈にも、みんながよくしてくれて命拾いしたと言う。でも、意識がないのだから真相は分からない。やはりせめて、みんながよくしてくれたと思いたいだろう。そうよ、安心してゆっくりしてね。
が、みんな所詮他人事なのだ。意識なくトイレに入っていく姿は、変で具合悪そうには見えないものか。
そして、東京駅の救急対応は最優先の業務であるはず。それがこの様、なっていない。6時間後とは! 厳重に問い正されなければならない。
彼女のまだ全く元気のない寝たままの小さな声を聞いて、背筋がぞくっとした。よくぞ生還してくれた。
(17.02.11)
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