悦子の談話室

米軍基地

     
 

沖縄の米軍基地問題。
鳩山首相はたいへんな問題をお気軽に考えてしまった。
ワシントンポスト紙に、"鳩山氏は愚かだ"と書かれたそうで、そんな人を首相に頂いている日本国民としては参った参っただ。
このまままたずるずるといってしまうと思うと、背筋が寒くなる。

沖縄だけでなく、日本には各地に米軍基地や練習場がある。
身近な記憶では、敗戦直後、我が故郷の九十九里町海岸に、数年間進駐軍のキャンプがあった。
これは、ある晩忽然と消えた。
幼心に不可解なことがあるものだと訝った。

今回の問題に取り組むに当たり、鳩山さんは独立国日本の基本的構想を考えることなしに、従前のままで文言のみを手直ししてという安直な策しかないようだ。有力なスタッフの陰もみあたらない。
従前のままとは、65年前日本は沖縄戦で負けて、勝った米軍の思うままに沖縄の地の大半を米軍基地とした、そのままだということ。
米軍に広大な土地を無償で提供し、諸経費の7割を思いやり予算という我々日本国民の血税で賄わさせられている。

それを、切羽詰まったこの時期に、全国知事会議を招集して、みんなで新たに負担して欲しいと宣った。
なんという愚かなことか。
全国が一堂に会して、米軍基地の問題を考えることはいいことだ。が、今回は時期が遅すぎあまりにも唐突。
どこかで米軍の訓練施設を新たに引き受けてくれるようにとの要請はなんたることだ。
全国をこれ以上米軍基地下に置いてしまって何とするつもりか。

沖縄も含め、もうこれ以上日本は負えませんと、はっきりすべきである。
鳩山さんも、政権を取る前の選挙公約で沖縄問題を軽減するとの立派な約束をいっていたのではなかったか。
オバマ政権になり、簡単に米国が日本に同意してくれるとでも思ったのか。
"チェンジ"したからとて、そんな一筋縄でいく米国ではない。

敗戦して、65年も経った。
国際情勢も大きく変ってきている。
毅然とした態度で、日米安保条約を考え直す提案を鳩山政府はすべきだったのだ。

(10.05.28)

 
     

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