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隣人の病死

 ご近所の古くから知り合いの方が亡くなった。

 病気を克服し、自宅でリハビリにはげんでおられた。近くに住む娘さんご家族たちが、毎日介護に付き添っていた。奥さんは看病疲れの気配があったが、いつもきれいに身なりを整えていた。

 私の朝の出掛けの頃、よく庭に出ていて、「これからか」と必ず声をかけてくれ、優しいおじさんだった。ある頃からそれが見えなくなり、しばらくして退院して戻ったと聞いた。

 一週間前、再入院していたのだが、お昼も、おやつのスイカも美味しいと食べて、奥さんがあっけにとられて見守る中、小一時間で突然息をひきとったそうだ。

 奥さんが、「あまりの突然で、それだけが心残り」と嘆いていた。

 ひとの死は悔いばかり残るものだ。悔いてあげるのがいい供養になろう。

 享年83歳、今夜御通夜である。(合掌)

 4年前に死んだ母のことがしきりと思い出される。

 (2004.06.07)

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