催しいろいろ
2017年度特定非営利活動法人「難民を助ける会」の通常総会が6月17日開催された。
私は会員ながら何もできないでいるので、せめてこうした総会やセミナーにできるだけ参加して世界の難民支援の現状を勉強している。何年か前に、カンボジア支援活動のスタディ・ツアーに参加もしたな。
昨年度の事業報告は、収入合計約16億4000万円、支出は主なものとして海外での支援活動に13億4800万円、東日本大震災被災者支援に約1億200万円。
国内外18か国における43の活動を、会員はじめさまざまな寄付、支援で行っている。
事務局ならびに国内外の事務所などでの活動に、優秀な若い人たち活動している姿は今後も頼もしく考えられる。並大抵の仕事ではないのだ。
総会後のシリア難民支援活動報告は、聴いているだけで身が引き締まり心揺さぶられた。
現在シリア国には日本人は入れない。
従って、支援活動は周辺諸国やシリアに入っている他の国や国連機関との接触によっておこなう。
食糧配布、地雷・不発弾回避教育、戦争残存物に関する情報収集・調査である。
現在日本にいて難民を助ける会のスタッフとなったシリア人女性Aさんの体験話しは、当事者だけに心深く響いてきた。
彼女はシリアが平穏な時、ダマスカス大学で日本語を学び、2010年に千葉大学に留学していた。2010年までのシリアでは、日本同様の普通の愉しい生活をしていた。
アラブの春が吹き荒れ、2011年シリアの内戦が始まった。
2011年帰国すると、2010年までのシリアはなくなっていた。今まで平穏だった道路を友達と歩いていたら突然爆撃があり、皆咄嗟に地面に伏せた。
救急隊のボランティア活動に参加、爆弾で家が破壊されたところに救急でいった。料理中のおばあさんは即死、身体が半分になっていた。そこに帰ってきたおじいさんは、おばあさんの遺体を観ても涙が出なかった。彼女も泣けなかった、と。悲惨さが身近で当たり前の光景になっていたのか。
紛争により、人々の心が分断し、壊れたことがこわい、とも。政府側と反政府側に分かれて対立している。とても優しい確かキリスト教徒(キリスト教徒は1%か、大半はイスラム教スンニ派)だった友人は、ある事故の後こころから反政府の人々は全部死ねばいいと言い放った、と。そして、負傷者へのいわれなき差別も生じてきている、と。
例え政治的解決がなされたとしても、それがいつになるか全くわからない、遠い先かも知れないが、こころの分断は癒えないかもしれない、だからこそ、真の人道的支援が大切だと、教育が大切だと、静かに彼女は訴えた。教育は、政府側も反政府側も、そしてIS側もやっているのだが、とも。教育ということの難しさ…。
去年日本にきて、先月から難民を助ける会のスタッフとなった。とても美しい女性で正確な日本語で整然と話した。この毅然とした強さは、必ずやシリア再建に力強く貢献していくことであろう。
(17.06.18)
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