悦子の談話室

花粉症

     
 

今年の花粉症は、何時になく悲惨である。スギ花粉が非常に多いとのこと。

私は20数年来花粉症を患っている。

思えば今年は退職してはじめて経験する花粉症だ。例年と少し違う。

と言うのは、在職中は、通勤にはマスクをして、デスクの上には大きなクリネックス箱を置いておき、ミーティングにはそれを小脇に抱えて移動したりと、涙目、鼻水、くしゃみ連発で、同僚にも結構同じような症状の人が多くいて、同病相憐れんだりしたものだったから。

何より困るのは、集中力が全く無くなってしまうことだった。原稿は書けないは、人の話をしっかり聞けないは。

新聞を広げれば、それだけで10回くらいの立て続けのくしゃみ。

会社の診療所で季節の早めに処方してもらい、薬を飲んでいたが、それも余り効かなくなっていた。

ひたすら、花粉症に耐えていた。

さて、今年はというと、ひたすら眠いのである。眠られるのである。

薬はやっていない! というか、一度飲んだが、それこそ睡眠薬をのんだように丸太のように寝入ってしまったのである。

これが退職のいいところか。自由に眠れる!

耐える必要がない。

千葉県には山武郡(さんぶ)中心に、山武杉といわれる杉の林が広がっている。

私は山武郡九十九里町、当時は豊海町(とようみ)といった、で育った。

杉の花粉は、黄な粉のように、垣根や道の吹き溜まりに溜まっていて、おままごとにすくってよく遊んだものである。

当時は花粉症なんて言葉すらなかっただろう。

春眠暁を覚えず」などと洒落込んでいたが、実は多分、花粉症だったのだ!

(205.03.11)

 
     

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