三社祭の直前、所要で浅草に久々に出かけた。大きな祭りの準備もあったろうが、それよりも外国人や観光客、修学旅行客などでたいへんな人出と活気で驚いた。仲見世や新仲見世通りなど、真直ぐに歩けないような混みようである。かつての賑わいを取り戻しつつある。「浅草おかみさん会」の地域興しの活動が功を奏しているようである。
かつての繁華街が、シャッター街になってしまっているところが各地にある。こんな中、今国会でいわゆる改正「まちづくり三法」が成立した。一言でいうと、シャッター街化した街の再生のため、郊外に出ていく大型店を引き止めようというもの。
1974年に「大店法」が施行、1500u以上の大型店市街出店を規制。その後日米構造協議などを経て94年に1000u未満の出店自由化。2000年大店法廃止、大店立地法施行。そして今年、まちづくり三法の一つである都市計画法が改正され、1万u超の郊外出店を規制するということになった。
この法制の流れには、街造りの基本的理念が欠けてみえる。施策がくるくる変わる。私は、昨年来からある大手スーパーの”夢のある未来”に関する諮問会議委員を務めていた。この会社は独自の「まちづくり憲章」をもち、生活者主権のまちづくりを基本に据え、地域とのパートナーシップを探っている。施設をバリアフリー化し、買い物バスを巡回、テナントには地元商店を優先させ、医療機関が入っているところもある。車使用が前提で、多くの消費者ニーズに応えようとすると、こうした商業施設は大型化し新しいコミュニティーの様相を呈してくる。勢い、郊外で巨大なコンクリートの建物と言った具合になる。
郊外店出店規制もいいが、旧商業市街地の再生を図るのであれば、先ずまちの主役である地元住民の声を聴き、商業活動に活きた消費者を巻き込んで、その土地にしかない地方色を大切にした、それぞれ独自の再生策策定支援をしていかなければならないだろう。
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