エネルギー・フォーラム社刊「イーピーレポート」視点欄に連載している最近のエッセイ

日本よ、しっかりしようよ”(2007年07月11日)

 ここへきて立て続けに日本の屋台骨が崩れ始めているとしか考えられない事件、企業の不祥事、役所の不祥事が発覚している。

 保険会社の保険金不払い問題が収まらない間に、公的年金が国民人口の半分に及ぶ件数の記入漏れというおぞましい事態が発覚した。首相や関連役人のボーナス返上でけじめがつくという問題では断じてない。しかも返上額が100数億円というからびっくり。こんなにもらっているのか。国民の血税だ。血税で雇っている代々の公務員の、仕事に対する真摯な箍がはずれてしまっているのだ。これは社会保険庁の問題だけでは済まされない。

 元公安調査庁長官が総連売買詐欺容疑で逮捕されたという。彼は検事長経験者だそうな。いったい何を考えているのやら。

 そして国家公務員法改正案が成立しそうだ。これはどうみても天下り・再就職斡旋の新たなお墨付きにしかみえない。

 根本的審議のないままこうした厚顔な案が通っていく国会は、今や国民の民意を全く反映していない。こんな温床があり続く限り、民間の苦労を為政者・公務員は知らないで済んでしまう。

 為政者としてのアマチュア・素人が多過ぎるのもしっかりとした政治の佇まいがとれない原因であろうか。繰り返すが、これらの事象全てを国民の血税が支えているのである。腹が立つ。

  

 民間では大手介護会社が潰れた。介護サービスを大きなビジネスチャンスと捉えて大々的に展開しての事業失敗。

 一方食肉加工卸会社が牛肉と偽って他の肉や血などを混ぜてミンチにしていた事件も発覚。

 これら業界の後に同じ問題が見え隠れしている。消費者の生きる安全を何と心得ているのか。

 官民問わず、今想像を絶するお粗末な仕事感覚が蔓延していやしまいか。日本の立国に関わる。他国をとやかく言えまい。

 公務員も企業人も裏を返せば国民であり消費者であるはず。自分の仕事で国民や市民の血税に報えるか、この商品を自分は買うか、こうした基本的問いにまともに応えられる真摯な仕事振りを取り戻そうではないか。

 

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