「散歩の友は丹精された畑」

8月はロング・バケーション

2004年8月24日

 

散歩の道すがら、丹精された豊かな農作物を見られるのは最高の贅沢である。

九十九里浜一帯は早稲米の産地である。お盆も過ぎるとそろそろ稲刈りの準備が始まる。すでにあちこちで稲が刈られはじめた。

お陰様で家でも9月に入れば美味しい新米が食べられる。千葉米は美味しいですよ!

昔の稲刈りは、当然手で刈り、刈った稲を束ねて、長い棹を物干しのように段々に組み立てられた(おだ)に掛けてあった。おだかけといって昔の農村の秋の風物詩であった。

猫の手も借りたい農繁期。子供も重要な働き手として数えられていた。だから、学校は一週間くらい農繁期休みとなった。

少し過ぎるとたしかその次に稲村といって、稲の束を円形の小さな家のように積み重ねる。それが幾つもあった。そこでかくれんぼをして遊ぶ。悪戯が嵩じて火遊びをして小火を出してしまうこともあったようだ。日当たりのいい、穏やかな、稲の香りのする温もりが感じられる、いい場所だった記憶が蘇る。昔の子供は仕事も遊ぶ場所もいっぱいあった。

 

今日は、田植えも稲刈りも機械。刈った稲は、機械で脱穀、乾燥。乾燥がきつい。だから、新米でも炊くときに水加減は少なくしなくていいのだ。

稲藁は、機械で短く刻み、田に肥料として入れてしまう。だから稲藁がなく、畳床用には輸入しなければならない。輸入品だと安いが虫がいるらしい。

サツマイモの産地でもある。

芋はもとより、戦後食糧難のときには葉のも煮て食べたものだ。だから、中高年の人は戦後のひもじい記憶が蘇って嫌いだというひとも多い。わたしは美味しかった記憶がある。近年、東京新橋の田舎料理の店で食べたが、やはり美味しかった。

茎といってバカにしてはいけない。里芋の茎、つまり芋茎(ずいき)はあんなに美味しいでしょう。

そして、落花生も

落花生をピーナッツというものだから、木に成っているものだと思っている人が実際にいておかしかった。落花生は其の名の如く、花芽が地中に入って実るのです。殻が付いていますよ、もちろん。

この畑の落花生も、そろそろ実って掘り起こされるでしょう。根の部分を逆さに上にして確か2、3日干され、それから実をもぎ取って、またしばらく筵に干すのだったかしら。

2004年8月26日「一足早く秋の味覚」

[8月はロングバケーション]

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