所用で千葉市の家にいた。
台風14号の影響で久々に雨が降り雷もなっている。九十九里へ帰る仕度が整っても、突然の大雨の中を敢えて出かける要もない。
で、天気予報でも見ようとテレビをつけた。
と、昔の映画「ビルマの竪琴」をやっていた。思わず見入った。
安井昌二が水島を、三國連太郎が隊長を演じていた。妙な言いぐさだが、切ない中にほのぼのとした雰囲気が漂う。泣けた泣けた。
一昨年、私はミャンマー(ビルマ)に旅した。この映画のロケは戦後数年経ってからだろう、水島が潜伏していたと設定された寝釈迦仏は映画ではほぼ朽ち、叢の中に埋もれていた。現在は見事に建て直されて、きれいに彩色されている。壮絶な戦場となったビルマの国も、その後の幾多の内戦が続いても、ともかく近代化が進んできた。
原作の『ビルマの竪琴』は、昭和22年、敗戦後2年にして少女雑誌に童話として連載された。反戦文学のなどまだまだとても公に出来なかった時の苦肉の策だ。
九十九里への帰途についた。
田んぼの稲は大分黄色味をおびてきている。月末には早いところでは刈り入れが始まる。
わが家の辺りは雨は降らなかったようだ。でも台風の余波を受けて、海鳴りがかなり強い。
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