『セプテンバー・ラプソディ』

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読書日記

2015年02月26日

年明けだったかな、テレビの画面が、特に字幕などがとても見づらくて1m位近寄って見たりして、家人たちと大笑いしていたので、大型スクリーンのものに買い換えた。
何とよく見えることか! そこで読書の時間に、かつてのオペラのDVDやビデオ撮りしてあった映画や海外ドラマなどなど、見惚けていたら、あっという間に2月も終わり近くになっていること?! 2月は28日しかないのだぞー。

『セプテンバー・ラプソディ』 サラ・パレツキー ハヤカワ文庫 1300円+税

原題は、「CRITICAL MASS」。
現代に相応しいIT長者の話なのだが、そこはシカゴの誇る女探偵V.I.ウォーショースキー、ロティの系譜を絡めて第一次大戦以降のヨーロッパの物理学・核兵器開発における有能なユダヤ人科学者やドイツ・ナチの動き、女性科学者たち、そして第二次大戦後のアメリカの核開発競争の人材収奪合戦や特許の問題、その後のコンピューター開発ひいてはI.T.産業へと、遠大な科学史そしてヒューマンドラマを展開させている。
V.I.の面目躍如。相変わらず、がむしゃらに、弱きを助け強きを叩き付けている。自分も肋骨の1本や2本折って、歯をぐらつかせ、銃で撃たれ、地下室に閉じこめられなどなどしながら。
何故か、彼女を読むと、俄然こちらも力が湧いてくる。なにしろ作者のサラ・パレツキーは我より1歳若い。つまり同年。こちとらだけ弱音を吐いているわけにはいかないのである。
カンフル剤にはもってこい! 何時しかこちらのこころも女ハードボイルド調だ。いい気なもんだ。

 

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