『崖っぷち国家日本の決断ー安倍政権の暴走と自主独立への提言』 孫崎享・マーティン・ファクラー 日本文芸社 1500円+税
4月は、桜を追って花見に明け暮れたり、井の中の蛙よろしく小宇宙の出来事に振り回されたりで、思えば読書の贅沢はゆるされなかったな。
そんな時、この本に遭遇した。
なんと読み応えのあることか。
元外務相国際情報局長で現在はその古巣と戦っている孫崎氏と、ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏との対談だ。
このところ思索することが面倒で避けていた部分をずばりと突いてくれている。
安倍政権の一連の政策は戦後最悪だと。原発再稼働、集団的自衛権行使、特定秘密保護法、消費税値上げ、TPP参加などなど。現在不都合のみならず将来に禍根を残すと。
日本の政治を巧みに操る米国少数のジャパン・ハンドラーズの手口、それにまんまと乗せられている安倍政権。集団的自衛権行使で戦争国家になるよりは、平和憲法で平和国家であることを望む米国多数派のリベラル派。
社会的国家的議論のないまま崖っぷち国家に進む日本。
核心を突かず真実を知らせない日本のジャーナリズム。
などなど。
可笑しいのは、ヒラリー・クリントンは日本の政治家が嫌いだと。中国へ行くと政治家は国際情勢を議論している、日本へ行っても政治家がハウスキーパーとか不動産屋の議論ばかりだからと。笑える。
沖縄問題では、沖縄は明らかに本土と異なる。別の国だった。その沖縄に米軍基地を集中して持たせている。その内に日本の統治から逃れて、沖縄独立運動が大きくなるのではないか。スコットランドなどのように。
真剣に考えなければならない事が多くあるな。
軍国主義、戦争へと雪崩れていったことをどうして止められなかったのと母親を責めた幼児。今はその幼児が成人をとうに過ぎ老人と化し、同じ流れに流されていっていいのか。
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