『ジェーン・エア』(上) C.ブロンテ 新潮文庫 629円+税
この小説は、宗教と人格の絡んだ壮絶な壮大なラブロマンスなのだ。
ジェーンは、幼い頃身を寄せていて虐げられていた義理の伯母の葬儀をすましてロチェスター伯爵のもとに戻ってくる。
ロチェスター伯爵の熱烈な求愛を受け入れ結婚の運びとなる。が、法的に伯爵は既婚者で狂った妻を館の3階に幽閉していたことが発覚。ジェーンは身一つで館を去る。
放浪のあげくにたどり着いたのが従兄姉たちの牧師館だった。
ジェーンの伯父が莫大な遺産を彼女に残していたことが判明。
執拗に従兄に服従させられ結婚を迫られインドへ布教のために同行することを強いられる。
主の御業か何処からともなくロチェスター伯爵の声が「ジェーン、ジェーン、ジェーン」と読んでいるのが聞こえる。それに導かれるように、ロチェスター伯爵の館に赴く。
そこで狂妻の手による大火で焼け落ちた館を発見。伯爵は従者たちを避難させ自身は片目を失い片腕も失ったと聞く。遠くの小さな館に誰も寄せ付けず侍僕夫婦と一人住んでいる伯爵を訪ね、そこで二人の愛を再確認し二人だけで結婚式を挙げる。
読書とは、この小説もそうだが言葉一つ一つを丹念に読み明かしていくのがいい。人と人とのこころの葛藤が読み応えある。映画やドラマでは映像を頼りに、言葉が割愛されているのだ。
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