『最期の日のマリー・アントワネット』

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読書日記

2013年08月15日

『最期の日のマリー・アントワネット』 川島ルミ子 講談社+α文庫 734円+税

たいへんに興味深く読んだ。
フランス王妃マリー・アントワネットだけでなくオーストリア王家ハプスブルグ家の終焉に起きる五つの悲劇、取り分けその最期を取り上げている。

18世紀、マリア・テレジアの末娘でフランス王家に嫁いだマリー・アントワネットのフランス革命により斬首。
19世紀に入り、フランツ・ヨーゼフ皇帝の弟マクシミリアンはメキシコ皇帝に就き銃殺刑。
ロドルフ皇太子の情死。
皇后エリザベートの暗殺。
そして20世紀に入り、甥で皇帝後継者となり皇太子となったフランツ・フェルディナント大公のサラエボでの暗殺。
これをきっかけに1914年第一次世界大戦が始まる。

1916年フランツ・ヨーゼフ皇帝が86歳で死去。
後継者だった甥のカール一世は即位後2年で帝国を追われ、700年続いた大帝国は崩壊した。
カール一世は亡命先で病死。妻のツィタは8人の子供たちと転々とし、故国帰還を許されたのは1982年。ツィタは1989年97歳、ウィーンで死去。子供たちの中には、長年にわたってオーストリアやハンガリー政府関係の仕事に就いている人もいる。

………

シシー(皇后エリザベート)のことは大変関心があり、本や映画など随分多くを読んだり観たりしていた。ウィーンに旅行したときも当然王宮のシシー博物館に行った。一人で行った。
そこでショックを受けた。在任中は国民から、"皇妃としての仕事を何もせず、旅ばかりして国費の無駄遣い"と酷評だったという。悲劇後、不幸な皇妃とマーケティングされ、人気を作られたと、当時の新聞などを掲示して解説しているコーナーがあったのだ。
暗い気分になった。
が、この本では人気者として書かれている。

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