『黒い山』

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読書日記

2014年12月27日

もう年末だ。なのに読書とは? 
知り合いの女性でやはり読書好きがいる。彼女は徹していて、除夜の鐘を聞いて、読書して寝るという。いやはや。

『黒い山』 レックス・スタウト ハヤカワ・ミステリ 1200円+税 

ニューヨークの自宅から、外出大嫌いのウルフが船に乗ったりポンコツ車に乗ったり、岩山の過酷な踏破で、故郷モンテネグロに潜入する!!!
作者はかなり政治的色彩を盛り込んだ作品を作る。
今回は、ソ連の圧政、その下にあるバルカン半島のユーゴスラビアなど諸民族の地下活動、チトー政権などが描かれる
同郷のニューヨークにレストラン「ラスターマン」を構える盟友マルコの殺害に義憤を抱いて、犯人捜しに故郷までパスポートなし身分証明書無しで、極秘に戻る。

現在は風光明媚な地方として、旅行客も多かろうが、元々この地は、バルカン半島は古くはギリシャ、ローマの支配下に置かれ、後にはソ連にと、国際紛争の火種の絶えない地だ。第一次世界大戦もサラエボでオーストリアの皇太子が暗殺されて始まる。

ウルフ自体は政治には関係しないが、周りの環境に政治的要素をちりばめて、作者の心持ちを婉曲に書き込んでいるようだ。
1954年の作品

 

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