2015年01月06日
初版発行物で、昭和35年8月発行となっている。
イギリステレビドラマの「モース警部」や「オックスフォード・ミステリー」を見ていると、よくシェークスピアなど英国文学からの引用語句がある。思い至るものもあるが、自力で判明しないのはどうも悔しい。
そこで、昔読んだ物を本棚から引っぱり出すことになる。
学生時代やもっと幼く中学生時代に読んだ物は、忘れたというよりは全く理解していないものだ。新しく読んでみると凄く楽しい。
シェークスピアなどその最たる物だ。言葉が長ったらしいが、一語一区噛み締めて読んでいると、よく見かける名言が羅列されていることに気付く。実に楽しい。
例えば、王の腹心のポロウニアスが、息子でハムレットの友のレアーティーズがフランスの遊学先に帰るときの説教。
「考えを口に出すな。とっぴなことはするな。友と親しんでも馴れ馴れしくするな。これはと思った友は鎖で縛ってでも心から放すな。…… 財布の許す限り身なりには金をかけよ。着ているものをみれば人柄が分かる。金は借りるな。貸しもするな。貸せば金といっしょに友も失う。……」 などなど。
以前英国旅行の際、ストラットフォード・アポン・エイボンで、シェークスピアの生家やオフェーリアが気が狂って溺れるという着想をしたという小川などをしかと見てきたので、想像豊かに出来る。
エリザベス一世時代の処世術がいまだに通用しているとは、シェークスピアは人間の本質を知っていたのだな。だから現在も読まれたり演じられたりしているのだな。
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