ラ・トラヴィアータ

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スローライフ日誌

2009年06月21日

梅雨も本格的。
時たま豪雨だ。
我が家のDVDオペラ上演は続く。

今回は「ラ・トラヴィアータ」
ご存じ、「椿姫」

ここでちょっと講釈を。

題材とした『椿姫(La Dame aux Camelias)』はデュマ・フィス(小デュマ)の小説
そのデュマ・フィスも愛した当時の高級有名娼婦マリ・デュプレシがモデルである。
マリ・デュプレはリストとも関係があった。
時1840年代は、1830年7月革命によりフランス資本主義が急成長し、ブルジュアが台頭したバブル期。
マリ・デュブレシが結核で23歳の若さで死んだ1847年は、マルクスが「共産党宣言」を発表した前年である。
1848年はパリで2月革命が、ドイツで3月革命が起こる。
1849年はショパンやヨハン・シュトラウスが没し、ワーグナーがチューリッヒに亡命した。

そして、「椿」は当時のヨーロッパでは人気絶頂であった。
東インド会社を通じて中国の椿がイギリスにもたらされたり、ポルトガルのとある別荘に3本の日本の藪椿が持ち込まれたと記録に残っている。
また、ナポレオン一世の后ジョゼフィーヌもこの花の虜で椿姫といわれた。
マリ・デュブレシの死後、花屋からの椿の花の請求書が多く出てきたという。

それを元にオペラとして作曲したヴェルディは、題名を『La Traviata (道を踏み外した女)』とした。
第2幕で、 "一度堕落した哀れな女はしあわせになれないのね。たとえ神様が許して下さったとしても、世間は許してくれないのね" と悲しげに歌うヴィオレッタが印象的だ。

ともかく、『La Traviata』 を観るときはいつも何故か悲しくて、最初の「乾杯の唄」からもう涙腺が刺激されて、最後まで涙涙で、その内に頭が痛くなってくるので困るのではある!

で、講釈の続きを。

このDVDには、パルマ王立歌劇場2001年上演のものと、グラインドボーン音楽祭1988年上演のものが収められている。
パルマはヴェルディの生まれ故郷。
2001年はヴェルディ没後100年にあたり、ヴェルディ・フェスティバルの一環として上演されたものである。

筆者はパルマには数年前に行った。
ヴェルディの生家だとか王立歌劇場の近くも通ったが、食いしん坊の旅は、パルメジャーノ・レッジャーノ生産者や生ハム工場を訪ねるだけだった。
でも、粋な方からヴィオレッタ(菫の花)のコサージュや、ヴェルディの顔絵のついたピル入れを頂いたのが嬉しかった。

グラインドボーン音楽祭とは、イギリスのジョン・クリスティー(1882年〜1962年)が自分の荘園内に1934年にオペラハウスを建てて、バイロイトの英国版を造ったもの。
ロンドンから車で1時間半か。
筆者の知人で仕事でロンドンに居たことのある方は、何度かこの音楽祭に行ったとここの良さを話して下さる。
いつか行ってみるといいと。
音楽祭の休憩には、荘園内の牧草地でのんびりとスナックなど。
夕暮れも長いので、戸外で夕食も、などなど。
いつか行ってみたいですねー。

 

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