昨日、渋谷の文化村オーチャードホールでマチネのオペラ・カルメンを鑑賞した。
久々のオペラ鑑賞。
ウクライナ国立歌劇場オペラである。この劇場は140年の歴史があり、チャイコフスキーも好んでいたらしい。旧ソ連の三大劇場の一つ。
「カルメン」は、ご存じメリメ原作の小説をビセーが作曲したもの。
セビリアのジプシー女で、盗賊の一味、凄腕の魔性奔放な女カルメン・シータに、純朴な伍長ドン・ホセが惑わされて自らの人生を生け贄としてして捧げてしまう悲劇。
ジプシーという独特の民族のリズム、踊り、情熱などが謡い上げられ、闘牛も加わって、それはそれは賑やかな舞台である。
わたしは、DVDでいろいろのカルメンをもっている。
一つは、カラヤン指揮監督の、映像用に作られた「カルメン」。ベルリン・フィル音楽でカラヤンが全て計算し尽くして制作したもの。凄い。
もう一つは、ナポリ・サン・カルロ歌劇場の「カルメン」。珍しくカルメンが金髪。
そして、オーストリア・ザンクト・マルガレーテン音楽祭の「カルメン」。この音楽祭はウィーンの南南東70kmにあるレーマーシュタインブルッホ(ローマ採石場)の野外音楽場で行われる。ローマ時代から続くヨーロッパ最古の採石場。ローマ時代の円形劇場跡が野外音楽場になるのはヴェローナのアリーナなどで名高いが。採石場とは素晴らしい着想だ。屋外の広い舞台だからまるでセビリアの街を再現したようで、騎馬隊の馬や荷馬車が登場し、山々の遠景が借景となっている。ここは一度行ってみたいな。
さて、今回のウクライナ国立歌劇場オペラの一団だが、若い配役が目立ったとは言え聴き応え充分だった。指揮者も若い小柄な女性で、オケ・ピでエネルギッシュにタクトを振っていた。
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