6月の金春会定期能に誘われた。
12時半開演で4時45分終演。今回は早く終わった。比較的短い能だったから。三題。
「花月(かげつ)」 シテ 櫻間金記
筑紫の僧が昔子供をさらわれ行方不明になっていた。京にはいろいろの人がいようからそこで会えるかも知れないと清水寺を訪れる。門前の男が様々な芸を見せる子供がいると紹介する。その花月という子供が男と小歌を歌いながら舞ったり鶯を弓で射ったり、清水寺の由来を語ったりする。この子が行方不明の僧の子であると分かり、花月は鞨鼓(かっこ)を打って舞いながら、天狗にさらわれ諸国の山々を巡ったことを謡い、父の僧と仏道修行に出て行く。
「杜若(かきつばた)」 シテ 金春康之
旅の僧が三河の国八橋で杜若に見とれていると、里の女が声を掛けてくる。在原業平が詠んだ和歌「唐衣着つつなれにし妻しあれば遙々来ぬる旅をしぞ思う」の話しをして自分の庵に案内して休ませる。と、業平の思い人であった高子(たかきこ)后(きさき)の衣である唐衣と業平の冠である初冠を身につけて現れ、自分は杜若の精と名乗り、業平は歌舞の菩薩であると謡う。
「雲雀山(ひばりやま)」 シテ 本田布由樹
紀州雲雀山の庵に乳母にかくまわれて中将姫がいる。乳母は草花を里で売って暮らしを立てている。そこに横はぎの右大臣豊成が狩りに来て、乳母が百合や牡丹など様々な花を勧め故郷を逃れて住む姫の哀れを語る。と、豊成は女が侍従の局であると気づき、讒言により娘を殺そうとしたが今は後悔していると、姫と豊成は再会し三人で奈良の都に帰っていく。
いづれもとてもいい能であった。
その後の恒例の夕の会食もとてもいいものであったことはいうまでもない。
能はいいなー。
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