今夜は、もしかして赤穂浪士の討ち入りの日か。
どうりで寒い。が、旧暦のはずだな。
さて、昨日、久々に、歌舞伎を観た。
母と歌舞伎座に一緒したのが20年以上前、その頃母はすでにかなり老いていたな。
そして数年前に姉と新橋演舞場で新春歌舞伎を観たのだったかな。
つまりかなり久々ということ。
偶然、会場前で知人と遭遇した。彼女曰く、「仕事で来たの」と。愕然とした。余程私は仕事人間に見えるのかね。かつてはそうかも知れないが、今は立派なスロー人のつもりだがね。「ううん、遊びよ!!」
平成29年12月歌舞伎公演
国立劇場大劇場にて
「今様三番三(さんばそう)」
中村雀右衛門、他
「隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ) 御存「梅の由兵衛」」
中村吉右衛門、尾上菊之助 、他
実は、遅ればせながらテレビドラマ「鬼平」ですっかり吉右衛門ファンになり、観に来た次第。
2階の最前列中央を予約、よく見渡せた。隣の席のおじいさんは掛け声をかけるのでこちらも威勢つく。
「由兵衛」は、下総千葉家の重臣に仕えていた。が、喧嘩っぱやく失敗したが、その性分を戒めるために頭巾を被らされて追放となった。それでもその上役への忠義を貫きとおす意気地と、芸者上がりの女房など周辺の人々への情愛、様々に織りなす人間模様が愉しませる。
女房と弟の二役をこなす尾上菊之助もいいな。
尾上菊之助は確か吉右衛門の娘婿。吉右衛門には男子がいないのだ。
気にかかった事がある。人情ものには、悲しい切ないやりとりの台詞が多々あり、涙ぐんだり咽び泣く観客もいるものなのだが、今回の観客はそうではなくて、笑った。
現代の人は、何でもかでもお茶らけ、笑ってしまうのか。そんな心持ちでいるのか。
「梅の由兵衛」は喜劇でもバラエティーでもないはず。
三番三の時もそうだ、見事にでんぐり返りをすると、拍手ではなく笑う。
これでは役者はやってられないのではないか。
観客層にもよるのかな。昨日は100人単位の団体客が2組あったようだが。
立派な国立劇場でいい芝居を愉しんだ。
能鑑賞にはよく出かける。それぞれ特徴があり、それぞれ生はいいものである。
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