悦子の談話室

飛んで火に入る…

     
 

今回の、イスラム過激派による日本人人質事件の報道を見ていて、咄嗟に浮かんだ文言が残念ながら「飛んで火に入る…」だった。
安倍首相はスピーチで、「イスラム国」に対抗する周辺のイスラム圏の地域に2億ドルの支援をする旨、またもや軽々にしかも中東の現地で発言した。後で、あれはそういう意味ではないとかの言い訳や言葉の綾が通用する地域ではないし、戦いにおいてはたとえ正論であろうとそれが通ることはないのはこれまでの歴史が語っている。
日本人が安否不明になっているというのに。痛ましい。
待ってましたとばかりに、イスラム国はその2億ドルという言葉を言質に、安倍首相と日本人宛に要求を突きつけてきた。
混乱の渦中なので、その地の訪問には反対の意見すらあったというが…。父親の外国訪問の数を上回りたい一心だとすれば、これも軽々しくないか。
イスラム圏や中東の複雑な政治、勢力関係は、『わたしはマララ』で読んで、少なからずその混乱さは分かった。マララさんの命も危ない。
この困難極まる世界情勢での首脳外交の意味をもっとしっかり勉強して欲しい。これではまるで首相が人質にとられたも同然ではないか。酷なようだがその自覚はあるのか。
この事件の解決がどのようにつくか、アメリカ始め他の国々の事情、意向や力関係が強烈に働くであろう、いい結果が出てくれるのを望むばかりだが、いずれにしても悲惨な難しい事態の引き金を引いてしまったことに変わりはなかろう。

スピーチ原稿を誰が書いたのか、およそ不手際極まりない。
私もスピーチ原稿をもらうことはあった。手っ取り早いので有り難く使う場合もあるが、ある会ではいただいておいたが、自分の意見を言いたい大切な会だったので、自分で作成したものを使用した。と、驚いたことに、何と、私より先に発言した大学教授はそのお仕着せの原稿をそのまま読んだ。後の私も同じ原稿を読んでいたら、意識ある人たちの爆笑ものだったことだろう。彼はそういう配慮がなかったのか。おかしいでしょう。

(15.01.27)

 
     

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