カンボジアの旅　3日

JMAS(日本地雷処理を支援する会)の不発弾処理現場へ

プノンペン空港近くの空き地で待ち合わせ

右から2人目の方がJMASの代表、山田さん。
陸上自衛官を定年退職し、関連民間企業に就いたが仕事がつまらなく、
ここの代表に転身。
やりがいのある仕事で責任があるが、無給。
命がけの完全ボランティアだ。

前で説明をしてくれているのが、現場で実際に地雷・不発弾処理をするチーム・リーダー、中塩さん。
陸自官で、UNTAC勤務などし、現在はここで活躍。
後列左端のカンボジア人が彼の通訳。
今日は日本語が大いに話せて嬉しいと、とても明るい楽しい人。

右側の赤い帽子を被っている人たちは、CMAC(CAMBODIAN MINE ACTION CENTER) の人。
JAMSはCMACと一緒にチームを組んで仕事をする。

現場へ

国道4号線を西に進み、途中で南下する。車で1時間強のところ。
カンダール州。
ポルポト軍とベトナム軍の激戦地だったところ。

地元の警察官から、不発弾があるとの連絡が入り、そこに出向いていく。

田んぼのあぜ道を進むと、向こうで待っていた。

右側に埋まっているのが見える。

防護のためかけておかれた枯れ枝を払っていく。
命がけの仕事である。

あたりはこうした長閑なところ。

これだけ出てきた。

車の後部に収納庫があり、そこに収めて爆破処理場まで運ぶ。
砂を敷いた木の箱。
万が一爆発しても、これが一番安全だとか。

次の現場へ

中塩さんは、これが日常の仕事振りで、やらせではありませんと笑わせてくれる。
炎天下、緊張の連続で、たいへんな仕事なのに、ユーモアを忘れない頼もしさを感じた。

普通の農家の物置の前。
ここにも不発弾が。

そして、また別の農家へ。

名物の砂糖椰子を煮詰めている。
そして、これを振舞ってくれる。
甘いとうもろこしの茹で汁のような味。

牛が飼い放たれている裏の空き地へ。

竹の根に絡まれていて、取り出すのにかなりの時間がかかった。

やっと取り出し、安全を確かめる。

乾季なので、池から貴重な水を汲んできて、溜めている。

また別の場所へ

木の枝で囲って保存してある。

地雷探知機で辺りの安全を確認。

不発弾を掘り出す道具。
作業は全て手作業である。

作業開始。

その農家の土間では、池から取ってきたゲンゴロウや小鮒などの収穫を披露中。

危険なので、遠巻きにして作業を見守る。

こんなに出てきた。

爆破処理場へ

誰かの私有地だという広場が爆破処理場。

深く穴を掘って、下にプラスチック爆弾を敷く。

その上に処理する不発弾をのせる。
そして、50センチ以上の砂をかける。

遠隔装置で爆破する。

何処からともなく、子供たちが集まってきて、金属破片を探し集めている。
金属は高く売れる。
質のいい爆弾は金属が多く使われている。
子供でも、1日探せば3ドルくらいにはなる。
3ドルあれば、家族が1日暮らせる。

午前中の仕事は終わった。
中塩さんのチームは、１日に平均40発、多ければ80発の不発弾を処理するという。

キエンクリエン障害者支援センターへ

プノンペン郊外の国立障害者支援センター内にある「難民を助ける会・AAR」が運営する
クエンクリエン職業訓練校である。

卒業生は360名。(たしか、10年以上の実績あり)
縫製の教室、テレビ・ラジオ修理の教室、オートバイ修理の教室を開講。
それと、国語の授業もしている。識字率が低いため。現在32生徒中5名(女性)は完全非識字。

障害者への差別、卑下はたいへんなもので、人前に始めて出たとか、初めて言うことを聞いて
もらったとか、初めて拍手してもらったというひとがざらだそうだ。
ここへ来て、初めて人間らしい扱いを受けた人も多い。

地雷の被害のは他、ポリオの後遺症のひとが多かった。

期間は3ヶ月間。
寝食、授業が無料。
その後、職に就くための道具給付や、徒弟制度で卒業生が面倒をみたり、その後の経過をフォロー
しり、自立の支援もしている。

卒業生が、特別注文の車椅子を製作する工房もある。
顧客の障害の具合を調べ、それに合わせて作成。
直接発注者に届けて見定める。

在校生や卒業生の作った作品の販売ショップもある。
わたしはそこで、3ドルの肩掛けかばんを買って、翌日早速また再訪の時使っていて、
みなが喜んでくれた。

縫製の教室

先生は、もちちろんここの卒業生。