先ずは、サグラダファミリア教会に向かいます。
スペインの冬の夜明けは遅く、8時20分にようやく日の出です。
サグラダファミリア教会
建築家ガウディの手がけたものとして余りにも有名。ちょっと異様で、グロテスクと言えなくもない。
ただ、近くに行き細部を観るとたいへんに精巧で美しい。
まだ未完で建設中。
そもそもの建てられた経緯を知りたかった。
ガイドさんに問うと、ある本屋の店主がその当時の市民孤児たちの余りにも惨めで貧しい現状を嘆き、ささやかな私財を投げ打って、市民孤児らもみんな一つの家族なのだという施設を作り始めたのがきっかけで、当時は田舎でまだ地価も安かったところにした、とのこと。
1882年に建設計画に着手。83年からガウディが引き継ぐ。ガウディ31歳。
凄い本屋さんだ。
それがこんなにおおきくなって世界遺産となっている!
ガウディ存命中に造った、「生誕のファサード」側。
パイナップルや果物かな、色鮮やかな形が塔の上にのせてある。
観ていて楽しくなる。
朝一番なので人が殆どいない。
キリスト誕生のストーリーを彫ってある。
中に入ります。
入り口の柱に亀さんが押えられています。
中はとても明るい雰囲気です。
椰子の木を思わせる支柱や天井です。
「受難のファサード」側にでました。
こちら側は、ガウディの弟子の造ったファサードです。
日本人の彫刻家もいたそうです。
外の土間に絵が描かれています。
ユダに接吻されているイエス。
この横に彫ってあるパネルが、縦でも横でも斜めでも足すと33になる数列。
(一種の魔方陣だ。普通の魔方陣は1〜16までの数字を1回だけ使い、足して34とする。
ここのは、多分キリストが死んだ歳が33歳だったのでそうしたのであろう、と我が管理者はiPadで検索してくれた。)
中央やや下にある顔の彫り物、観る者の動くに連れて視線がついてくる!
(顔の部分をへこませて彫るとそのようになる、とこれまた我が管理者の言。
インテリア・デザインに詳しいだけのことはあるな。)
我々が去る頃には、人でいっぱいになっていました。
ガウディの居住、今はガウディ博物館
教会の受難のファサードの側にのこされている。
元孤児や作業員の子供たちの保育園だった。
そこに報酬も少ないガウディは寝泊まりした。
博物館には、ガウディの考えた、物を投げると放物線を描いて落ちてくる引力のちからで、それを逆にして物を建てる技術を模型や図面で解析している。鉄筋などの支柱や柱は一切ない。
私には全く理解不可能だったが…。
波状を造る模型。
サグラダファミリア教会とはお別れ。
バスに乗ります。
ガウディ博物館。元ガウディの居住兼託児所。
教会敷地内にある。
バスの車窓から、市街にあるガウディの建築物(いずれも世界文化遺産)をパチパチと。
モンジュイックの丘に行きます。
ジュイックとはユダヤ人のこと。
途中、ミロ美術館がありました。
丘からのバルセロナ市街を展望。
高いビルの左奥に見えるのは水道塔。別名座薬だそうな。
で、左側に尖塔が見えるのは、多分カテドラル。
右側遠く黒く高いビルの奥の白い建設現場がサグラダファミリア教会。
左側の煙突はかつての火力発電所。
こちらはコロンブスの塔が建っている広場と港。
コロンブスは海の方を指している。
コロンブスは航海のデモンストレーションで寄付集めにバルセロナなどに寄港している。
コロンブス著の航海日誌が岩波文庫にある。正しい題名を失念したがたいへん興味深いものだった。ある人に貸したが返ってこなかった。貸した本は殆ど返ってこないものだ。
徒歩でビカソ美術館に向かいます。
路地が多く、迷子になりそう。
ピカソ美術館
中の撮影は出来ませんが、ここは必見。
正直なところピカソを余り好まず知りませんでした。
が、凄い正統派天才であることを知りました。
14歳からの彼の作品が歳を追って展示されていますが、絵画教師だった父が彼14歳の時の絵を見て自分の筆を折ったということが凄くわかります。
社会の動き、貧富の差、恋愛などに敏感に反応して、「青の時代」や「キュビニズム」があるし、「ゲルニカ」が描かれたのだ。
食わず嫌いは愚かなことだ。世界が狭くなる。遅ればせながら、これからはビカソを真剣に観よう。
グエル公園
ガウディのパトロン、グエルがイギリス風の静かな高級住宅街を造ろうと15haを取得、ガウディに担当させた。
中央広場、道路、門番小屋、などを造ったが、高級住宅街は未完に終わって、今は市の公園として一般公開されている。
道路を支えている、鉄筋の入っていない件の逆放物線の原理を利用した柱。
ただ石を積み重ねてその重みで建っている。
中央広場はこの屋上だ。
中央広場を支えている列柱。
この白い区切りの繋がる延長は水平線だ!
屋上の中央広場から見た門番小屋など。
お菓子の家と呼ばれる。
廻りに廻らされている石の腰掛け。
これが実際に座ってみると、何と座りやすいか! ほっと安らいで落ち着ける。
この屋上が中央広場。
博物館かな。
ガウディの住まいだった。
屋上、中央広場です。
脇の腰掛け、座り心地最高!
反対側。
入り口やお菓子の家が見えます。
入り口にあるトカゲのモザイク。
入り口。
石球のオブジェが無造作においてある。
ガウディのパトロンたり得たグエルは、スペイン屈指の貿易商。
というと聞こえはいいが、祖父だか父だかの代に巨万の富を得た、人身売買だ。
黒人奴隷の売買で、アフリカなどから連れてきたという。
なんともはや。
スペインは、中南米からは金銀財宝を大量に略奪したな。
コロンブスは確か煙草も持ち帰ったな。
だから、今でもスペインは煙草やさんが大きく商売していたな。
そして、『カルメン』のカルメンも大きな煙草工場で働いていたのだね。
途中、タラゴナという古代ローマの面影の残る町に寄ります。
タラゴナ
地中海に面した、地中海のバルコニーとよばれる町です。
紀元前218年ローマ人に征服される。
紀元前1世紀には100万人を超える大都市だった。
アウグストゥスやハドリアヌスといったローマ皇帝は好んでここに滞在した。
穏やかな地中海が見はるかせます。
海を背にした古代ローマ闘技場です。
さあ、バレンシアに向けて、4時間以上のバスの旅でーす。
運転手さん頑張ってくださーい。
地中海に沿って、カタルーニャ地方から、海の青と建物の白と美しい車窓を眺めながらゆられます。
[海外旅行記]
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