千葉ウィメンズ・フォーラム
メンバーのお一人から寄せられた闘病記シリーズです。
9月4日に纏めて送られてきましたが、幾編かに分けて連載します。
股関節を人工股関節に入れ替えるの記−3
病名は 左変形性股関節症。
症状は進行具合によって異なりますが 私の場合は最終的には歩くたびに足の付け根に激痛が走り 階段の上り下りができない 靴下がはけない お手洗いの座面に座れない というように日常生活に支障が出てきた末期症状です。
原因は生まれつき股関節の一部の臼蓋部分に欠損がある臼蓋形成不全、軟骨が少しずつ減少し 歩くたびに少しずつこの臼蓋部分が削れて67歳でとうとう堪え切れなくなったということです。
少しでも股関節を延命するために足の筋肉をバランスよく鍛える運動をし カルシュウムやコラーゲン・ヒアルロンサン等を摂取し 太らないように注意しと 表面化した20代前半から医師と二人三脚で対策を実施してきました。
十年ほど前から左足が少しずつ短くなりスカート丈の調整が難しくなってバランスが崩れたせいか 転びやすくなり このところ三年に一度くらい転んで骨折しました。最後は左右の足の長さが三センチの差になりました。
私の主治医は40年ずっと診てきてくださった3代目の先生です。この病の根治法はいくつかあって 今回私が受けた人工股関節全置換術はその中の一つで変形性股関節症の末期症状の患者に実施されます。
この全置換術の手術についてはこの頃ブームの神の手を持つ医師 としてマスコミに絶賛されている北海道の石部基実ドクターがいられますが、わが主治医 柳本繁ドクター(東京都済生会中央病院外科部長 慶応義塾大学病院客員準教授)も精力的に研究を重ね日本人の体に合う慶応方式の人工股関節を京セラと共同開発 (セラミックにチタンコーティングしてあってもとの骨との親和性が良い) コンピューターナビゲーションシステムで筋肉を切開せずに最適な場所を探しMIS法((最小侵襲手術)という傷口の小さい手法で施術されます。
この手法はリハビリテーションを早い時期から開始できるため回復も早く 施術を受けた患者の術後の事故が最も少ないといわれています。
又 対象年齢に制限はなく 私と一日違いで手術を受けられた方は84歳、略ひと月ですっかり元気になって退院なさいました。 耐久性はほぼ20年といわれました。
この手術のデメリットは尻もちをついたり重いものを持って体をひねると金具が外れることがあって再手術ということもあるということです。 1回/年 アジア旅行に出かけたい私にとって最大のデメリットは暫くしゃがめないこと。
他にこの人工股関節の材質がセラミックそのものだったりセメントだったりそして形がそれぞれ異り、部品そのものが国産だったり輸入品だったり、施術法が異なったりそれによって耐久性や回復期間にも差があるようです。
原因は人によっていろいろある様ですが股関節脱臼からが80%、 股関節脱臼の原因は先天性だったり布製のおむつのあて方だったりしたそうです。 紙おむつの普及によって患者は減少の傾向にあったようですが 現在は運動不足による筋力の低下によって 女性が出産時の特殊体位に耐えられず発症したり スポーツ選手が発症したり 又 高齢化も新しい要因になって減少傾向が減ってきたようです。
(09.09.04)
* よく転んで骨折されていた原因が分かりました。
私はただお転婆さんだとばかり思っていました…。ごめんなさい! たいへんなご苦労だったのですね。(09.09.05 篠崎)
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