『名画で読み解く「ギリシャ神話」』

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読書日記

2013年09月08日

『名画で読み解く「ギリシャ神話」』 吉田敦彦監修 世界文化社 1400円+税

今朝明け方、2020年のオリンピックを東京で開催することが決まった。
もともとはこのオリンピック、ギリシャのオリンピアで紀元前400年頃から始められたという。
オリンピック発祥の地オリンピアには、ゼウス神殿やその妻ヘラの神殿などがあり、オリンピック競技場の跡地などなどの遺跡が今日に残る。
オリンピックの聖火は、そのヘラの神殿で灯され、開催都市に運ばれてくる。

西洋の美術展に行っても、ギリシャ神話から題材を取られているものが多く、ギリシャ神話に疎いものとしてはさっぱりその意味がつかめない。
で、よい教材を見つけたとばかり、先の「聖書」に引き続き興味深く読んだ。
かつてギリシャ旅行をした際も、多くの神話に出てくる神殿や場所を訪れている。もったいなくもそれほど理解せずままだったな。

この本は、ギリシャ神話の寓話で絵画によく取り上げられているものを99点の絵画で紹介している。
古代ギリシャにおいて口承で伝えられていた伝説が古代ローマに取り入れられ、数多くいる神々も、その名前がギリシャ語からラテン語、そして英語と地域により異なるので、混乱してくる。
例えば神の中の神ゼウスはギリシャ語名でありラテン語名だとユピテル、英語名だとジュピターとなる。
多くの神々がいる。ギリシャ語名で、ポセイドン、アテナ、アポロン、アフロディテ、ヘルメス、エロス、パン、ディオニュソス、などなど。
神々は人間よりも一回り大きく天上にいて不死。天上から地上を見て、気に入った人間がいると一目ぼれしてあの手この手で、白鳥に化けたり雨に化けたりして女性なら交わり子孫を増やし、美少年なら天上に連れて小姓とする。
だからケンタウロスのような半身人間半身獣も多く登場するのか。
神々はみな好色で、嫉妬深く、だからか好戦的で、戦い策略、駆け引きに明け暮れる
今日でいうところの政治が全くないのはやはり天国か

怒る神と、おごり高ぶる人類の歴史が続く。
黄金の時代は、人類が初めて誕生した時代。ガイア(世界の最初のカオスという広大無辺な淵から最初に生まれた偉大な大地の女神)の子クロノスが天上の最初の王だった時代。クロノスは我が子ゼウスに王の座を追われたが。
人類は働く必要はなく幸福のみを享受した。寿命が尽きると安らかに死んだ。
次の銀の時代は、身も心も黄金の人類には劣り、成人するのに100年かかり成人すると直ぐに死んだ。
神々を崇めなかったためゼウスに滅ぼされた。
次は青銅の時代。さらに劣る種族となる。頑丈で怪力を持ち気性が荒く、殺し合いばかりしていたので、ゼウスの起こした大洪水で滅ぼされた。
次は英雄の時代で、現代の人類の祖とされる。人間離れした優れた能力を持ち、神々との関係も良好だったが、英雄たちの活躍が大地の重荷になったので、トロヤ戦争などを通じて滅ぼされた。
そして現在の鉄の時代。英雄たちが滅びた後残された普通の人類の時代。現在も続く。

歴史は壮大だ。
そして、ギリシャ神話は聖書や日本の神話に通じる寓話があるのも興味深い。

 

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