『失われた世界』 アーサー・コナン・ドイル 東京創元社 600円+税
このところ所用が多く、車での遠出だったりで、本を読む時間がなかなか取れずにいた。
やっと読めた。読書はこころを活性化してくれ、世界を広くしてくれ、私にとっての生命線だ。
アーサー・コナン・ドイルはシャーロック・ホームズだけかと思っていたら、何と、この『失われた世界』のような SF推理小説をもものにしている。凄い小説家だ。ホームズものだけでも凄いのに。
その発想力はどこからくるのか。もともと医者でうだつが上がらないので、小説を書いてみたといわれるが。医学を通して科学の基礎はあり、考古学に関心が深く、想像力に溢れていたのであろうか。
『失われた世界』は、今日の冒険物、探検物の原型であろう。まさにロストワールドを描いている。1912年に出版。ホームズものの合間に書いている。
アマゾンを遡り、(多分今日のギアナ高原)の未踏の地に、英国の動物学者チャレンジャー教授、比較解剖学者サマリー教授、世界的探検家ロクストン卿、そして新聞記者マローンの四人で探検を試みる。彼らの名前からして面白いし、彼らの自己の威信をかけた論争が愉快。
そして、ついに到達不可能なある高地に恐竜や猿人などなど先史時代の動物が生き残っていることを発見する。
科学者なので学会での発表は写真や伝聞では納得しないので、実物をロンドンまで運んで、何万という観衆に見せて実証する件は、流石だ。
小説とは言え、今日の、何とか細胞の発見だかなんだかで物議をかもした美人かわいこちゃんや、彼女を喜んで賞賛したマスコミ界たちには、是非読んで欲しい一冊だ!
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