麻布に住む友人に誘われて、千葉市美術館で開催されている「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展を鑑賞した。
酒井抱一が琳派の絵描きであることはうっすらと知っていたが、今回の展示をじっくりと鑑賞して、いろいろのことが分かり、感動した。
先ず、譜代大名家の酒井雅楽頭(うたのかみ)家の次男に生まれたということを知って驚く。
酒井家は、京都の尾形光琳を召し抱えていたこともあった家柄だ。
次に、20代で狂歌や浮世絵などで江戸の市井文化に手を染め、37歳で出家し、より自由な立場に身を置き、江戸琳派を確率していったのだった。
その粋で風流ででも典雅な世界を築き、雨華庵(うげあん)に弟子たちも育てて、多くの文人との交わりを楽しんだそうな。
今回の展示は、酒井抱一を中心に、弟子の鈴木其一や池田孤邨らの作品を集めている。
展示替えを2回して3回の展示。
掛け軸、襖絵、屏風などなどの他、脇箪笥、団扇、茶器などなどの下絵も描いたし、日記、中でも料理本が面白いし、茶会の署名などなど、興味深いものが実に多い。
絵もいいし、書もきれいだ。
これらを観ると、今様のパソコンのキーボードを叩くだけの日常文化に、味も素っ気もなく嫌気がさしてしまう。が、もうそれしか能がない。
期間は11.10.10〜11.11.13
是非3回とも観たい。
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