先日、紀尾井小ホールで「竹本綾之助物語」を観る機会に恵まれた。
知人の女優光本光子さんからのお誘いでもあり、浄瑠璃というので楽しみに出かけた。
竹本綾之助とは明治初期に名を馳せた女浄瑠璃語り。
大阪から東京に出てきて11歳で初舞台を踏み、10代後半には人気実力絶頂を極める。
そんな彼女の一生を、山本陽子さんが演じた。
浄瑠璃は四代目竹本綾之助らが見事な喉を聴かせてくれた。
光本光子さんは進行役のような24歳で他界した短命の樋口一葉を、同時代に生きた女として淡々と美しく演じた。
竹本綾之助は没後70年特別公演だったので樋口一葉よりは長く生きたのだが、二人とも当時としては男性のする仕事を女性が手がけていたわけで、珍しい存在だったのだ。
しみじみとしたいい芝居を観せてもらった。
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