久々の芸術鑑賞。上野公園にある東京都美術館に出向いた。
夜に別の用事があるので閉館時に合わせて逆算し出かけた。まさか独り占めを期待してはいなかったが、それでもゆっくりとゆとりを持って鑑賞できた。
イタリアルネサンス期の、ボッティチェッリに焦点を合わせて彼の師匠リッピやボッティチェッリ工房の弟子たちとの共作などの作品が
およそ80点が展示されていた。
生で最高傑作を鑑賞できるのはいいものだ。彼はルネサンス期の画家とあって、キリスト教関連の絵だけでなく、ギリシャ神話からの題材も描いている。「ビーナスの誕生」や「プリマベーラ」は来ていなかったが、あれもすごくいい。ウフィッツ美術館で観たな。
彼はほとんどフィレンツェからでたことはなかったらしい。フィレンツェといえばパトロンはメディチ家。が、いろいろあってその後修道士サボナローラが現れ、華麗な生活を悔い改めよと唱え、ボッティチェッリも傾倒したらしい。古今東西、人心はたやすく強い扇動者にたなびいてしまう。ボッティチェッリは画風も代わり滅びる。
西洋古典の絵画は、ギリシャ神話や聖書に通じていないと描かれている意味が分からない。そして、画家の生きた日々の社会的背景も知ってみたくなる。こころ揺さぶられる種は実に奥深く、興味はつきないのである。
ところで常々疑問に思うのだが、イエスキリストが聖母子像など、他もそうなのだが、幼子で描かれる場合何故か殆ど全て分別くさい大人の顔になっているのは何故なのか。不思議でならない。
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