麦秋(ばくしゅう)いい言葉である。今時の感覚では理解できない。今ごろのことである。 陰暦4月のこと。麦の刈入れ時。むぎあきである。初夏をあらわす。 今日は、麦畑より田んぼのほうが馴染みがある。子供の頃、従って50年以上も前の話になるが、寒風の中、両手を後ろに組んで、ひたすら横歩きの麦踏をしていた農家の人々を思い出す。そして、筍が出てくると、柔らかい甘皮に、紫蘇で色づけした自家製の梅干をくるんで、一晩麦畑に寝かせておくときれいに色づくなどと、遊んだものだ。そんなものが、大事なおやつだったりした時代。 大地にしっかりと包まれて、心豊かな暮らしがしたい、などと今では無理な願いがふとこみあげてくる。 昔の暦は自然にそくして無理のないいいものだった。旧暦の暦が売れていると聞く。こうしたこともスローの精神と結びついていくのでしょう。 今日は父の命日だ。 (2004.05.26) [掲示板] |
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