『最後の刑事』 ピーター・ラヴゼイ ハヤカワ文庫 880円+税
ダイヤモンド警視シリーズの第一作。1991年に原著出版。
私が興味を引かれたのは、イギリスのバースが舞台だから。
三日月形のテラスハウス、ロイヤル・クレッセントやローマ浴場、バース寺院、エイヴォン川にかかるパルティニー橋の側の急流などなどが出てきて、かつて旅した風景がよみがえる。
さらに、ジェイン・オースティンの展示会を巡ぐるやり取りが重要な伏線になっていて、読み進んでいく内にぐいぐい引き込まれる。
警察の捜査は科学調査が主流となり、DNA鑑定や指紋鑑定などですすめられ、ダイヤモンド警視は古色蒼然とした聞き取り調査やヒラメキを重んじた古いタイプの刑事なので、最新のやり方が気にくわない。
関係者が事情聴取で話す細かなことまでがそのまま延々と書かれているのだが、実はその何気ない一言一言が最後に繋がり結びついていくという特異な手法で書かれていて、これまた深く読ませられて面白い。
この本ももう一度読み返すことになるだろう。面白い。
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