十五代柿右衛門さんが千葉三越で個展を開いていた。拝見すると、新しい絵柄や色使いがうかがえる。特に「唐梅」と称した我々から言うと蝋梅の絵柄や色使い、つまりベージュの作品が何点かある。柿右衛門は赤が特徴なのだ。伺ったら、「赤を入れようとしたが、あの色には赤がどこにも入らなくて」とのこと。新たな柿右衛門の誕生か。素晴らしい。
十四代からの恒例で、千葉で個展が開催されると旨い物処の「千寿恵」で仲間が集まって一緒に飲み歓談をする。贅沢な話しだ。もう16年前になる、ここの皆で有田の柿右衛門釜まで行って十四代直々に窯の案内を頂いたのだった。それ以来の柿右衛門さんとのお付き合い。
十五代柿右衛門さんも気軽にお付き合いくださった、と言うかたいへんだったろうとうかがえる。皆でさんざんお父上の偉大さを吹聴したのだから。「お父上とはよく話したのですか」と問うと、殆どないとのこと。受験の時だけかなと、懐かしむ顔がお父上によく似ている。柿右衛門を継いで3年、じっくりゆっくり励んで行って下さい。「何時継ぐ気になったのですか」問うたら、「物心ついたらそんな気持ちでした」と。自然体で実に優しくていい。
23日からはイギリスに飛ぶとのこと。大英博物館の1階で柿右衛門展が開かれるのだそうだ。
国際的にも名の知れた柿右衛門、今後の大いなる活躍が愉しみだ。
[前の日へのリンク]← | →[次の日へのリンク] |
Copyright © Etsuko Shinozaki 2003-2015 all rights reserved