ビンダ社はコモ市にある繊維メーカー。高級リゾート地として知られるここコモ地方は繊維産業も盛んで、特にその美しい「染め」の技術でミラノ・ファッション産業を支えている。
デザインを起こすところなどは勿論撮影はできない。
水は地下80mから汲み上げて使用し、それを浄化して再利用する。環境保護の規制が厳しくなり、コストの大半が水関連に費やされる。
高級ブランドのヴェルサーチ、ランバン、プラダなどのプリントはここでやっているとの説明には驚かされた。そういう高級ブランド各社は自前の工場をもっているところは少なく、こうしたいわば下請け工場と契約しているわけである。一流ブランドテキスタイルの98%はイタリアでデザイン、製造されているそうだ。デザインのデジタル化がすすみ、コピーが素早くできてしまうので、デザイン流出が難題。
めまぐるしく変化する市場についていけない多くのメーカーが廃業に追い込まれている。
私がたまたましていたお気に入りのスカーフが、案内してくれたダニエーレさんの目にとまり、「それはここでデザインし染めたものです」とのこと!! 我々一同「ほんとーっ!」と驚嘆してしまいました。
湖畔に大きな屋敷をかまえているビンダ社は、もとはそこも工場だったそうだが、その一角をお店にしている。当然、そこでわれわれは買い物に没頭。日本で買う値段の2〜3割だもの。みんな大量に買い込んだので、気前のいい係りの女性が、われわれ全員に小型のスカーフをプレゼントしてくれた。日本で言い値で買ったら1万円はするかも知れないものだ。
コモ湖畔は世界に名だたる高級リゾート地。世界の富豪ら、例えばロックフェラーらの別荘が密かに佇む。
生憎と小雨もよいで、見透しもよくなかったが、湖畔のレストランでゆっくりと昼食。豊かさに一時浸る。
そして、次の目的地パルマに向けて、またバスのドライブ。
[海外旅行記]
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